威鶴の瞳


私とトーマの身長差は15cmほど。

トーマの肩より私の肩が下にあるから、締めにくいのは確か。



となるとやっぱり……。



「ぎゅっ……って事ですか」

「おーよ。理解出来たか」

「理由の説明お願いしていいですか」



本当に、私が抱きつくだけで、キレたトーマが止まるんだろうか?

だって……過去を見た事があるけれど、熊より強そうだった。

そんなトーマを、私に止められると、だれが思う?



威鶴は別として。



「理由聞きたいのか」

「……変な理由じゃなければ」



主に下品な理由じゃなければ、聞きたい。



そして、ニヤァ……トーマが笑った。



「抱きつかれて声聞かされれば、色んな意味で俺は停止するだろうな」



いろんな意味って何ですか!?
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