威鶴の瞳


それなのに、レインはトーマを煽る。



「ここの部屋、私が威鶴の為に用意した部屋なのよね。威鶴一人が男だったり女だったり、そんな事はどうでもいいけど、表で接触する事は契約違反」

「どうでもいいってなんだよ!?」



ついにレインの胸ぐらを掴んだトーマを、慌てて止めに行く。



「あら、契約違反はどうでもいいの?」

「テメェ……!」

「待ってトーマ!いいの、もういいから!!」



今にもレインに殴りかかりそうなトーマの腰に抱きつき、レインから引っ剥がそうと全力で引く。

それでもトーマの力以上の力は出なくて。



雷知は驚いた表情のまま固まってるし、私も現状にパニックで『抱き付いても止まらないじゃん!』なんて思ったりして。

その時、『中』から声が聞こえた。











『代われ』
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