威鶴の瞳
声が聞こえ、気付けば威鶴と代わっていた。
──そう、私と威鶴が誕生した、あの瞬間のように……。
「テメェは頭冷やしやがれバカが」
そう言って『俺』は、トーマの後ろから膝裏を蹴り、不安定にさせた所で少し高い位置にあるトーマの額に手のひらを当て、力強く引いた。
当然のように俺の方によろめくトーマ。
その反動でレインを離した。
「……威鶴?」
「レイン、俺は今日限りでBOMBをやめる。それでいいだろ?」
俺はそう、宣言した。