威鶴の瞳
「代わりですって……?」
レインが眉をひそめる。
「あなた、その能力をなんだと思っているの?努力して身につくようなものじゃないし、BOMBでしか活かしようがないでしょう?」
「レイン!」
雷知が、怒り混じりにレインの名前を叫ぶ。
その発言に、トーマも俺から手を離し、レインに向いた。
レインの失言を、初めて聞いた。
まるで能力しか必要としていないような……でも、ここではそれが正解なんだ。
能力が全て、そういう世界。
「……レイン、言いすぎかと思います」
「あくまで裏の話よ。ここでは能力が第一に求められるわ。威鶴と同等の能力の持ち主なんて、そうそう居ない。BOMBは威鶴が必要で、威鶴はここが必要。そうでしょう?」