威鶴の瞳


「代わりですって……?」



レインが眉をひそめる。



「あなた、その能力をなんだと思っているの?努力して身につくようなものじゃないし、BOMBでしか活かしようがないでしょう?」

「レイン!」



雷知が、怒り混じりにレインの名前を叫ぶ。

その発言に、トーマも俺から手を離し、レインに向いた。



レインの失言を、初めて聞いた。

まるで能力しか必要としていないような……でも、ここではそれが正解なんだ。

能力が全て、そういう世界。



「……レイン、言いすぎかと思います」

「あくまで裏の話よ。ここでは能力が第一に求められるわ。威鶴と同等の能力の持ち主なんて、そうそう居ない。BOMBは威鶴が必要で、威鶴はここが必要。そうでしょう?」
< 283 / 500 >

この作品をシェア

pagetop