威鶴の瞳
「占い師柴崎依鶴とBOMBの威鶴を別々の人格として、別々の人間として解釈していただきたいです」
体は一つでも、人格はみんな違って、思考も、持つ感情も、性別までも違う。
「身体は同じですが、威鶴は威鶴の、私は私の思考や感情があります。双子のような扱いにしていただきたいです」
「全く別々の人間として扱えって言っているのかしら?」
「そうです。……トーマがプライベートで会っていたのは私、裏の仕事は威鶴。少なくとも、威鶴という人格は、今までそれを、忠実に守って来ました」
「……そう」
「今柴崎依鶴自身の事を話しているのも私です。レインさんは区別が付いているので、わかっているはずです」
そう、レイン自身が区別が付いている事。
それは説得に繋がる。
関係の浅い雷知は信じないかもしれない。
でも信頼し合っているトーマや、区別を付けられるレインになら……大丈夫。
威鶴の居場所、奪わせないから。