威鶴の瞳
「言いたい事は、わかったわ」
伝えた、伝わった。
私はトーマの居場所も威鶴の居場所も奪いたくないから。
こんな事でしか守れないけど、力になりたいと思う。
BOMBの勧誘で見付ける事が出来ないのなら、今までのやめる・やめないを白紙に戻してやる。
そしていつも通り、全力で爆弾を落として来てほしい。
「柴崎依鶴さん……あなたも策士ね」
「本当の事を言ったまでですから」
「ふふっ……こんな面白い展開は久しぶりよ。楽しませてもらったわ。
いいでしょう。別々の人間と認めるわ」
思わず、笑みをこぼしてしまった。
久しぶりに、笑った気がした。