威鶴の瞳
ふふふ、と口元に手を当てて嘲笑うように笑う女……どうやらこっちがソラらしい。
会話する気を失せさせる力がある。
……なるべくチョコに話しかけよう、この女は嫌だ。
と思い、チョコに視線を向け……チョコ?
ギラリ、俺を睨む鋭い眼。
ニヤリとも笑わない。
たたひたすら、俺を睨んでいる。
チョコ?
この雰囲気でチョコさんですか?
どうしたんですか?
何があったんですか?
どうしようもなく思考を巡らせていると。
「……チッ」
隣のトーマが、なぜだか舌打ちをした。
そして。
「じょーちゃん、テメー調子こいてっと痛い目合わすぞコラ」
トーマの低い声。
ヤバい、トーマ、キレてたのか!