威鶴の瞳


「あら野蛮。脳みそが未熟な証拠ね。残念だわ」



これ以上トーマをあおらないでほしい。



「んだと?」

「脅す事しか脳にないんですもの。脳がツルリンコしているのは見え見えよね」



いちいちウザいな。



反抗期?

女王気取り?

あの胡散臭い笑顔が余計にイライラさせる。



「潰す」

「あら、まだ懲りてないの?その力で家庭崩壊までしたくせに。随分と図々しいのね」



ピタリ、俺とトーマの動きが止まった。

だって、なぜだ……?

なぜこの女が、トーマの家庭事情を知ってる?



「一応先輩なのだものね。教えてあげるわ、私の能力」

「……」

「映像、音声的な記憶力、それに伴う推理力」
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