威鶴の瞳
「お久しぶりです、威鶴さん」
「あぁ、二ヶ月ぶりだっけ?」
「叶香、寂しかったんです、ずっと会いたかったんです!」
……まぁこの通り、俺はこの女に好かれている、らしい。
「どうでもいいから早く扉閉めろ」
そう言うトーマに、どこからそんな低い声を出すのか、竹原叶香は言う。
「ウザい黙れ死ね消えろクソ兄貴」
女っていうのは一体いくつの人格を持ち合わせているんだか。
特に竹原叶香はトーマと俺への扱いの差がヒドい。
「そうね、竹原叶香さん。座ってちょうだい」
「はい、失礼します」
竹原叶香が座ったのを見て、依頼物を取り出し、渡した。
「そうそう、コレです、ありがとうございます、助かりました。やーん、本当に頼りになる、結婚してください!」
「それではこちらに受け取りのサイン、お願いします」
「はーい、つれないなぁ」