威鶴の瞳
チョコが立ちあがり、ソラに道を譲る。
そしてなぜか俺たちの方のソファーに来ると、トーマを掴んで引っ張りだし、その席に座り……俺の首に腕をからませてきた。
「うわっ……」
どうやら俺は変なスイッチを押してしまったらしい。
「威鶴くーん。これから手取り足とり、教えてくれるんでしょう?ふふっ楽しみね」
「……離れろ」
「やぁだ」
突然甘え始めて来たソラに俺はさらに混乱。
すると今度はソファーの後ろからトーマの腕が伸び、ソラと俺の間に力強く腕が割り込んできた。
「離れろ!」
「アンタに指図される覚えはないけど。あぁ、そうか。脳みそツルリンコだと理解力もないのか。残念」
また毒舌を吐き始めた。
「んだと?」
「ほら、気に入らなければ睨むしか脳がないおバ力さん」
いい加減にしろ。