威鶴の瞳

「威鶴なら大丈夫かと思ったのよ」



そう言って今度はにっこり笑われると、逆になんだか困る。

信頼……されていたのか。



信頼という言葉には弱い。

本来の人格の名残だろうか?



「さぁて!今日から威鶴とトーマ、よろしく頼むわよ。ソラとチョコも、この二人の言うことちゃんと聞いて行動すること!」

「はーい。威鶴くんの言うことなら聞く」

「……まぁ、トーマよりは頼れるから、それでも良しとするか」

「ひでぇな」



トーマのフォローはないらしい。



レインが後ろからそっと俺に近付き、耳元に口を近付けた。

……自然とレインに集中すると。




「ちなみに、そいつらBOMBのブラックリストに入ってるから」



そう、聞こえてきた。



……え?

BOMBのブラックリスト……それはつまり。



「監視、しといてね」



それはつまり……完全には信頼できない『何か』を持っているということ。
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