威鶴の瞳
二人でどんどん話が進んでいて、私にはついて行くのがやっとで……。
「アイツが来るまで、みーっちりラブについて教えてあげるから」
……またもやとんでもないことになってしまった……。
バイクは一台しかないから、私たちは歩いて近くにある『コウさんの家』に向かった。
竹原叶香さんが電話をしていた相手がトーマじゃないことを願いたいけれど、ヒドイ言葉を言い連ねていたことからして、その願いは叶いそうにない。
コウさんの家に着いてからはすごかった。
ホワイトボードを出してきて本格授業だった。
恋とは何か、愛とは何か、そこからの過程から目をふさぎたくなるような軽い実践までしてくださった。
おかげで始終顔に熱が集まりっぱなしで、きっと帰るころには知恵熱でダウンするんじゃないかと思っていたけれど、話がハードになればなるほど、不思議なことに最初の恥が薄れていった。
つまり、キスを連呼されても、それほど恥ずかしく感じなくなった。
それどころか体内侵入系に比べればただの触れ合いなのかとすら思うようになった辺り、竹原叶香にだいぶアレ色に染められたらしい。