威鶴の瞳


まずは路上で、人を集めるところから始めて、噂になって、スカウトがやってきて、ちゃんとしたお店のコーナーにスペースをいただいて。

未成年だから家は変えられないけれど、意外にも生活出来ていたのは、きっと私の運が良かったからとしか言いようがない。





そして運命の二年後――そう、姉が帰って来た18歳のあの日。



あの日が転機だった。



そう、旦那様を連れて、姉が実家へ帰って来た、あの日。

両親が居ないことを知らずに……または、私の記憶と一緒に忘れたのかな。



私を脳内消去した姉が帰って来た。



姉の過去を見た。

消されていた私。

事故、視界が大きくぐらついて、目まぐるしく代わる背景に、その体が飛ばされているのを嫌でも感じた。



視界を埋め尽くす、赤、赤、赤――。







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