威鶴の瞳
闇が濃くて、異様に気味が悪い。
枕元に小さい画面ぽいもの。
……タッチパネルか何か……?
触れると、明りが付き、画面に写真が映された。
下に電話とメールのマーク。
え、ケータイ電話??
ケータイが進化していたことに驚いた。
しかし私はケータイすら持っていなかったから、何もわからない。
適当にタッチしていたら、どうやら辞書を開いてしまったらしい……けれど、消し方がわからない。
これは触れない方がいいのかもしれない。
ドアを開け、部屋を出ると、やっぱり見覚えのない部屋。
……外に出た方がいいのだろうか?
なぜかそういう衝動に駆られた。
知らないところに居ると不安になる法則かもしれない。
知ってるものが一切ないところだと、不安しかない。