威鶴の瞳


10年ぶりの再会が、喫茶店でいいのかな?

店員と客か……。

どうなんだろう、こんな偶然。



でもね、とてもとても、嬉しい。



会いたかった。

ずっとずっと、会いたかった。



でも、少しだけ不安になる。

今会えたけど、私が私でいられる時間はあとどれくらいなんだろう?

いつもより、私でいる時間が長いことは感じてる。

起きてから一日がスムーズに進んでる。



でも、いつ違う人格とまた代わっちゃうのか、私のことなのに、私ですらわからない。

もしこれで再会が終わったとして、会えなかったとして、次はあるだろうか?



あの部屋が私の部屋だったとしたら、私は姉に会うために二時間近くの距離を電車で過ごして、会いに来なければ会えない。

いつ人格が代わるかもわからない状態でそれは……厳しいかもしれない。

< 388 / 500 >

この作品をシェア

pagetop