威鶴の瞳
他の人格も……ちづちゃんと会いたいかな?
教えてあげたくても、直接は教えられないから、また竹原さん通してかな。
自分の中にいるはずなのに、なんだか他人みたい。
チーズケーキが来て、ちょっとずつ、時間をかけて食べて、姉が来るのを待つ。
「お待たせ」
来てから一時間ほど経ってから、姉が来て前の席に座った。
「いーちゃん大きくなったね」
そう言ってくれたちづちゃんに、本当は抱きつきたかった。
抱きつきたいくらい、嬉しくて、喜びがあふれだしそうで。
「ちづちゃん」
「家、追い出してごめん」
そう言って、ちづちゃんは視線を落とした。