威鶴の瞳
家族の秘密
『血が繋がっていないの』
それを言われて、私が最初に思ったことは、『血すら繋がっていないのか』ということ。
親が違うということ。
「でも依鶴、同じなのよ。私もあの親とは血のつながりがない。依鶴も、繋がってない。私たちは養子だから」
「……ちづちゃんも?」
「そう。私の親は亡くなっているらしいけど、依鶴にはお姉ちゃんがいるらしいわ」
お姉ちゃん……?
私に、血の繋がった、姉……?
「もう会ってるはずよ」
「え……?姉と?」
「そう。調べてもらった時に知った」
私と姉は、会っている。
でも私は、トーマにしか会っていない。
友達はいなかったし。