威鶴の瞳
言われてワクワクした。
『メール』
連絡先、教えてもらった。
これからは全く繋がっていないわけじゃない、そう思うだけで、とても嬉しくなった。
今日は嬉しくなってばかりだ。
長居してしまったカフェを出ると、ずいぶんと日が傾いていた。
「家来る?」
「え?」
「実家の方。ただちょっと……お母さんたちが戻ってきてるけど」
一瞬、迷った。
行こうか……でも、行っていいものか。
なにより、行って後悔しないか……私はまだ、帰る勇気はなかった。
首を二度横に振った。