威鶴の瞳
気付けは俺は、バッグを漁っていた。
ここは……トーマの寝室、つまり、昨日俺が寝ていた部屋、らしい。
まだトーマの家だったのか。
とりあえず、俺はバッグに手を突っ込んで何してたんだ?
「トーマ!」
しかたがなく、トーマを呼びつける。
「あー?……あぁ、おかえり威鶴」
言いながらのご登場である、トーマ。
「ただいま。お前よく俺だってわかったな」
「呼び方が違う。主人格は俺の事を『竹原さん』って他人行儀で呼ぶからな」