威鶴の瞳
あぁ、人見知りだからな。
それかトーマが怖いか。
とりあえず今の行動をトーマに聞くことにしよう。
「で、俺は今何してる途中なんだ?」
「なんかいきなり『サイフ!』って言いながら部屋出てってたぞ?」
……サイフ?
サイフがどうかしたのか?
とりあえず、外見は何ともないから、中身に用事があったんだろうか?
「『依鶴』に代わってどれくらい経った?」
「5分も経ってねーよ。気が付いて真っ先に逃げてった」
「嫌われてんな」
「違うと信じてぇな」
俺はとりあえずバッグごと持ってリビングに戻った。
また依鶴に代わった時にスムーズに事が運ぶように。
もしかしたら昨日何かあったのかもしれないしな。