威鶴の瞳
「トーマ、俺もうすぐ終わる。なんとなくわかるんだ」
「終わるって……」
俺はトーマに笑いかける。
まだ最後ではないと思うけど、でももう、近い。
「俺の役目が終わる。……やっぱりBOMBをやめるよ。主人格か、依鶴かわからないけど、まだ3つである理由があるだけで、それが達成されればすぐにでも1つに戻るだろう」
少なくとも俺は、BOMBをやめる事さえ伝えれば、もう不満はない。
覚悟はずっと前から決まっているのだから……。
~♪
不意に、機械音が鳴り響いた。
長い着信に、俺の電話だと気付く。
バッグを漁り、スマホの画面を見れば、レインの文字。
「レインだ」
「まだ6時前だぞ?」