威鶴の瞳


「……」

「悪い事した自覚があるなら、謝れ」

「……」

「トーマ、ソラ押さえとけ。病院送りに──」

「ああああああやまる!謝るわよ!謝ればいいんでしょう!?」



そう言うとソラは俺にしか聞こえないほどの声で『……ごめ……さ……』と言った。

だから俺はもう一度殴った。



「次は急所狙う。それともお前の人生最大級の黒歴史、今語ってやろうか?地国逝きたくなきゃ謝れ」



冷たい瞳でそう言えば、凍りつくソラ。



「ごめんなさいっ」



案外あっさりとその言葉を言ったソラ。

よし、一件落着だ、たぶん。








後ろから起きてこっちへ向かって来たチョコの足音に安堵していると。



「威鶴後ろ!!!!」



トーマの叫びと共に全員の息を飲む声。
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