威鶴の瞳


レイ……優雨さんは、子供の頃からこの世界にいたんだ……。



「調べた時に私と威鶴が血縁と知ったから、拾った当初は知らなかったのよ?知ってからもBOMBのメンバーだから規則で本当の話は出来ないし……せいぜい辞めそうになる威鶴を引き止める事しか出来なかった」



それを聞いて思い出すのは、あの日、依鶴の話をレインに話した日。



「だから私たちの事を話した時に……」

「そうね、必死に止めてた。私たちの繋がりはあの時はBOMBくらいだったから」



レイ……優雨さんが私をどう見て来たのか、本当の意味で知る事が出来た。

本当は、姉妹として話したかったのかな。



「あなたには千鶴さんがいるけれど、私の事も二人目の姉だと思ってくれると嬉しいわ」



そう言ってレインは、微笑んだ。

それに私も笑う。

なんだか心が温かい。

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