威鶴の瞳


「あなたは1つに戻る準備が万全だった。だから眠りについていて、表には威鶴しか出て来なかった」

「……そう、ですね。きっと」

「でも今度はあなたが出て来て威鶴が引きこもった。なぜなら今度は威鶴が引きこもることによって、あなたが必要とされたからね。これは私の想定だけど」



威鶴が引きこもった。

その理由は、もしかして、さっきの……。



「あなたはもう気付いてるかもしれないけれど……きっと姉の時のショックとトーマの状況が重なった。そして主人格と同じ現象が起きた。そう考えられるわね」





これが、今までから今の、私の現状……。





「私が呼び出す、事件の直前までの話だけど、トーマと威鶴は推定を立てながらこのことを話していただけみたいよ。調べたのはその後ね」

「事件のことは……」

「チョコの事件は……ソラへの不器用な愛というか、嫉妬に近いものだったらしいわ」

「……処分は?」

「マサルによる詰問と、BOMB脱退ね。ソラはとりあえず厳重注意。ペアを変えるわ」

「……そう」

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