威鶴の瞳
一通り話を聞き、意識がない間にいろいろあったのか、と深い溜め息。
話が終わり、彼に会いたくなった。
手足を縛られているらしい、彼の所に。
「優雨さん、私は……動いても大丈夫なんですか?」
「問題はないだろうけれど……。立てるかしら?」
そう言われ、ベッドから起き上がってみると──
フラッ……目の前が真っ白になり、ベッドに逆戻りした。
冷や汗、頭から血が引く感覚、吐き気……。
これは……貧血だ。