威鶴の瞳


「さっきの」

「え?」

「告白だと、思っていいのか?」



今度は真剣な瞳で、私に問う。

告白……?



『 私は、あなたに恋をしてしまいました』



そうか……告白、なんだ。

それに、キスまでしてしまった……。



「……は、はい」



言いたい事を伝えただけとは違う意味の、『告白』という言葉を改めて復唱し、なぜか今更緊張してきた。

キスまでしたというのに……。



……私、言ってしまったんだ。

トーマに、私の気持ち……。



後悔が少し、でも、満たされた気持ちの方が大きい。



もう、これ以上は望まない、そう思ったのに。



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