威鶴の瞳
「大好きよ。どの人格の誰よりも、大好きだったわ。これからは妹として、もっと好きになるけれど」
「レイン……ありがとう」
俺も、レインの事をずっと姉のように思って来た。
俺も、大好きだった。
そして最後に。
「千鶴」
「うん」
「会えて、すごく嬉しかった。俺とは今日が最初で最後だけど……これからは依鶴のこと、よろしくしたい」
「もちろんよ」
千鶴、大好きな姉。
今までも、これからも、ずっとずっと大切な人。
「千鶴も大好きだ。『依鶴』の大半は千鶴が占めてるくらいにな」
「うん。私も、依鶴が大好きよ。あなたも、大好き。どんな形であっても依鶴は私の、大事な大事な妹よ」
「それを聞いて、安心した」
トクン、トクン、心が緊張を始める。
いよいよ、終わりだ。
わかる、もう、戻れる。
「俺は、幸せだったよ」