威鶴の瞳
そして彼女は、私に答える。
「いつ……家族が元通りになるのか、知りたい、です」
「元通り?」
「……和解、の方が適切かもしれません。弟が家に帰って来られるその日が、家族の和解の日だと思うのですが……」
「わかりました、占いましょう」
形だけの水晶玉に両手をかざす。
「遥香さん」
「はい」
彼女の視線を、私に向けさせて。
――流れ込んでくるその未来を探る。
ビクッ
私の肩に、力が入った。
だって、信じられない、信じたくない、信じたい、信じる、信じない、あなたの未来に。
──なぜ?