威鶴の瞳
「……構いませんが、何を占いますか?」
「あの、さっき彼女が居なくなっちゃって。どこに居るかわかります?」
私は一瞬、何を言われているのか、理解が出来なかった。
「……え?」
「……え?」
彼女が、居なくなった?
おそらく、ここで。
このショッピングモールの中で。
……これは……迷子という事でいいんだろうか?
それなら相応の対処法を教えてあげるべきだと、私は考えた。
「それなら迷子センターに……」
「あ、いや、放送してもらったんすけど、来ないんですよねー」
頭をかきながら、『よわったなぁ……』なんて言う男。
こういう……居場所を探す占いは、もちろん初めて。
その上リアルタイムとなると、既に占いじゃない。
というより、占いのレベルじゃダメだろう。
──といっても、私のは占いじゃない。
だからこそ、それがリアルタイムであろうが、過去であろうが未来であろうが、私は探す事が出来る。