威鶴の瞳


それから少しして……離れた、彼女を店に残して、自分はタバコに。

そして戻ると、居なくなっていた。



周辺を探し、居ない事を確認し、迷子センターへ。

呼んで10分しても来ない。



……それから、管理している人と話し……一直線に私の所へ来た。

紹介されて来たのだろう。



……そして未来がダメだったから──。



一度、過去をさらに戻り、彼女がいた時間まで遡る。

──ここだ!



まっすぐ視線を向ける彼女の瞳を、じっと見つめ……私は、彼の過去を通して、彼女の記憶に移った。



その時点での彼女の記憶から、未来を探す。

本当に、ぼんやりとして見えにくい。

それでも、それから数分後、彼と一度別れて店に残された後を見ることが出来た。



あぁ、しんどい、疲れる。

過去から移動してまた違う人の未来を見るのは、とても目の裏辺りが痛くなる。

それでも、これは少しムチャをしてでも知る必要があると、確信し──当たった。

< 58 / 500 >

この作品をシェア

pagetop