威鶴の瞳
突如グラッと視界が揺れ、目の前が真っ暗になった。
指の間のようなものから、光が少しだけ差し込み──まずい、これは気を失ったみたい。
完全に視界が0になり、さらに先を見る。
これは、何時間?
三時間ほど、経過したかもしれない。
となると、完全に今の時間から未来だ。
ようやく目を覚ました。
視線があちこちを見回す。
動揺、焦り……薬の可能性もある。
嗅がされて意識を失ったと、仮定しておこう。
場所は、何かの小さな倉庫の中らしい。
真っ暗で、見えにくい。
視界が足をとらえた。
どうやら縛られているみたいだ。
これは完全に、拉致監禁。
一度この事を伝えるために、彼女の未来、そして彼の過去からも切り離す。