威鶴の瞳
集中する、深く、深く。
彼の過去から彼女の未来……そして倉庫の中で気がついた所から再開。
しばらくは誰も来ない……だんだんと視界が潤んでいく、泣くらしい。
さらに見えにくくなる視界。
ふと光が差し込み、視線を上げた。
逆行で見えにくいが、扉の奥に誰か居る。
食事を持ってきたらしい。
腕の縄だけ外し、その人はまた出て行った。
見覚えがある、その男。
これは……BOMBが今目を付けている男たちのグループだ。
でも確か強盗とかだった気がする。
今まで人はさらわれていなかったはず。
私の聞いた情報が古い可能性もあるけれど。
もしかしたら、以前接触していた、とか?
とりあえず、今はもっと先を見て、彼女の安全でいられる日数を探そう。