威鶴の瞳
もしかしたら、例の行方不明の元仲間を探しているのかもしれない。
そこでふと、違和感。
BOMBには依頼しないのだろうか?
一体どれくらい探しているのかはわからないが、せっかくこの組織に居るんだから使えばいいのに。
「威鶴、とりあえず彼に付いて先に個室行ってなさい。トーマは後で連れて行くわ」
「あぁ、はい。お願いします」
なんだかトーマがすみません。
まるで親になったような気持ちだ。
案内の男が俺の前に来て礼をする。
「部屋には依頼人と、事件の担当二人が先に来ているわ」
「わかりました」
レインにそう聞いてから、俺は男に付いて行った。
「来た!!」
ビクッ
扉を開けた瞬間、そんな大声が部屋に……廊下にまで響き渡った。