威鶴の瞳


左にいる渡辺春も苦笑い。

その対にいる、叫んだ男の隣にいる男が、叫んだ男をグーパンチ。



うわ、ありゃ痛いな。



「わりぃわりぃ……イテテ」

「お前はいつもいつもリアクションがうるさいぞマサル!」

「だからわりぃっつってんだろー?」

「反省をしろバカが」



……なんつーか、ぽかーん、と見ているしかできない。



とりあえず俺は渡辺春の隣に座った。

うるさそうな奴が裏の仕事なんて、珍しい。



「でもお初だぜ!?あの噂の超絶頭がキレるバイト!バイト!バイト!」

「バイトバイトうるせぇ!」



そしてまた殴った。

……どうやらこの『マサル』って奴は黙るということが出来ない性格らしい。



「確かに、バイトですけど……」



なぜそんなにも『バイト』を強調するのかわからない。

よくわからないテンションに、置いてけぼりだ。


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