威鶴の瞳
レインは二人に言う。
「マサル、雷知、聞いて。この事は機関外で話すのは禁止」
「え……?占いが?」
「占いじゃ、ないのよ」
話す時はいつも、緊張する。
俺の能力は『普通』の枠を超えている。
レインが俺を横目で見るのを合図に、俺は二人に話す。
「俺には、特殊な能力があります」
「能力?」
マサルが興味深そうに聞く。
話したら騒ぎ出しそうだが、言わないわけにもいかない。
「1つ、俺の右目は目が合った人の未来、過去を見ることが出来る」
「……へ?占いじゃなくて?」
いつまでも占いを引きずるなマサル。
コイツは面倒な性格だと思いながら説明をする。
「占いとは全然違う。映像が目の裏に流れ込んで来るような……夢を見ている時のような感覚です」