威鶴の瞳
おぉ、と、二人は驚いた様子だ。
「まるでどこかの特殊機関の一員だな」
「今まさにここの一員ですけどね」
雷知の言葉に、俺はそう返す。
BOMBだって十分特殊だ。
雷知は一体ボケなのかツッコミなのか。
まぁ、お笑い業界と言うわけじゃないから追及はしないが。
そして俺は次の能力を説明する。
「2つ、俺の聴力はほんの少し音がしただけでも物の距離、位置、物自体が何なのかすらも、特定出来ます」
「……」
「……音で?」
再びポカーン。
現実味がないんだろう。
疑っているわけじゃないとは思うが、一応本人たちで試してみよう。
「例えば、雷知さんの胸ポケットにはタバコとライター。タバコの数は4本で、ライターは半分以下になっているはずです」