威鶴の瞳


さて、これを聞いて、どんな反応を見せるだろうか?



いつも感じる、少しの不安。

トーマに話した時も、そうだった。



言ってしまえばこれは『異常』であり、普通じゃない。

組織はこの能力を欲していても、世間は気味悪がるだろう。



「BOMBがなぜ威鶴を正規に入れたいか、よくわかった。これは心強いな」



そう言った雷知に、不安が消える。



心強い……か。

それでも俺は、正規で入ろうとは思わない。



「でも、こんなスゲーのになんでバイトなんだよ?」

「マサル、それ聞いちゃダメだろ。本名禁止、プライベート詮索禁止、身分を隠す意味がなくなる」

「あ、そっか」



そうだ。

ここでは本名禁止、個人を深く知ることは禁止だ。

特に俺は自分を隠していたい。



占い師の事もまた、隠したい。


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