威鶴の瞳
……その禁止事項を、俺は破り始めているけれど。
トーマの姉、妹、過去、未来……依鶴とトーマの未来。
知ってはいけない事を、能力と本業のせいで、どんどん知っていく。
なぜ依鶴がトーマと……。
「いいかしら?そういうわけだから、今回は威鶴の能力も含めて、今後の動きを考えて」
レインがそう言い、マサルと雷知は頷いた。
「いぇっさー!」
「了解です」
二人がそう言うと、レインは席を立った。
「それじゃ威鶴、あとよろしく」
レインが部屋を出て行き、室内は数少沈黙が走った。
そして。
「レインさん、今日も美しや……」
やっぱり沈黙を破るのはマサルだった。
大体わかってきたぞ、マサルの性格。