威鶴の瞳
ユーキをトーマに抑えつけさせ、俺は正座から胡座に座りを変えた八坂と向かい合う。
「で、なんだよ占いって」
「知らないのか?名前とか星座とか誕生日なんかから過去や未来を──」
「ちげーよ!お前は何がしたい?目的はなんだ?」
「お前の過去に用がある」
それを言った瞬間、八坂が立ち上がろうとする前兆を聞き、俺はその頭をガシッと鷲掴みにした。
細部まで言うなら、コメカミを指圧。
背後にいるユーキからも、息使いが乱れた事から動揺を知る。
……ははーん。
「別にお前らの恋愛事情が知りたいわけじゃない」
「な……!!」
「知りたいのは……3年前くらいか?トーマ」
「3年前の12月辺りだ」
「わかった。だそーだ、八坂」
口には出さないが、すごく嫌な顔をしている。
同時に俺を睨んでいる。
ありがたい、見やすい、からな。
俺は八坂と瞳を合わせた──。