教組の花嫁

 「孤児院に行きたいのか。叔父さんはお前を育てる義務は無いのだぞ」


 叔父が小波を睨み付けた。

 「・・・」


 「言う事を聞くなら、綺麗な洋服も買ってやる。大学にも行かせてやる」

 「いやや」


 小波が、首を左右に振って自分の意思を示した。


 「少しの辛抱だから我慢しろ」


 叔父が小波を抱き締めた。



 「やめて、やめて、やめて」
 「いや、叔父さん、やめて」



 「やめて、お願い」
 「いややあ・・・」



 「うわあ、うわあ~ん、うわあ、うあわ~ん・・・」



 半分演技。半分本物の涙。
 その時の小波の心境。





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