教組の花嫁
百合葉と小波は、モダンなリビングに通された。
「ご無沙汰しています。今日は星野さんをご紹介に上がりました」
百合葉が小波を泰子に紹介した。
「星野小波です。よろしくお願い致します」
小波が泰子に挨拶をした。
「よろしゅうに。年は幾つや」
泰子が会うなり、小波の年齢を尋ねた。
「27歳です」
「27歳か」
泰子が小波の上から下までを品定めしながら、さらに言葉を続けた。
「せやけど、あんたも懲りん人やな。前の人が鬱になって実家に帰ったちゅうのに、まだ諦めへんのんかいな」
泰子が百合葉を厳しい目で見詰めた。
「これで最後にするつもりです」
百合葉が、最後と言う言葉を意識的に強く言った。