教組の花嫁
 
 百合葉と小波は、モダンなリビングに通された。


 「ご無沙汰しています。今日は星野さんをご紹介に上がりました」


 百合葉が小波を泰子に紹介した。


 「星野小波です。よろしくお願い致します」


 小波が泰子に挨拶をした。


 「よろしゅうに。年は幾つや」

 泰子が会うなり、小波の年齢を尋ねた。


 「27歳です」
 「27歳か」

 泰子が小波の上から下までを品定めしながら、さらに言葉を続けた。


 「せやけど、あんたも懲りん人やな。前の人が鬱になって実家に帰ったちゅうのに、まだ諦めへんのんかいな」

 泰子が百合葉を厳しい目で見詰めた。


 「これで最後にするつもりです」


 百合葉が、最後と言う言葉を意識的に強く言った。






< 130 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop