教組の花嫁

 あくる日の朝、小波はホテル泉のラウンジで、コーヒーを飲んでいた。

 「ここに座ってもいい」

 声の主は隣に住む立花まゆだった。


 「どうぞ、どうぞ」

 小波が笑顔でまゆに答えた。


 「ありがとう。私もモーニング」

 立花まゆが、小波の食べている物を見ながらウエイトレスに注文を頼んだ。

 「立花さんは、朝、いつもここで食べていらっしゃるのですか?」

 「ここと臨港線沿いの丼屋さんかな。そこは、朝定食があるの。最近はそのどちらかかな」

 「私も一度行ってみます」



 「星野さんは奥様側?それとも、千葉様側?」



 まゆが、小波にストレートな質問をした。





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