教組の花嫁
夜、小波の部屋に百合葉から電話が入った。
「もしもし、千葉です。先程、教祖様にあなたの事で電話を差し上げたの。そしたら、話がしたいので、瞑想室まで来て欲しい、とおっしゃっていたわ、今から、行って上げて」
「わかりました」
小波は住居棟3階の瞑想室へと向かった。
小波が瞑想室に入ると、道心は胡坐を組み瞑想をしていた。
「君も瞑想をしたまえ」
道心が命令口調で言った。
「はい」
小波も瞑想を始めた。
命と書かれた掛け軸に向かって、右が道心、左が小波。
二人は並んで静かな時を刻んだ。