教組の花嫁
7話 忌まわしい過去
あくる日、百合葉に二人から電話があった。
一人めは道心。
「もしもし、私だ」
「あっ、教祖様、お早うございます」
百合葉が弾んだ声で応対に出た。
「ああ、お早う。実は、君の好意を受ける事にした。いろいろとありがとう」
「ええっ、本当ですか。やはり・・・」
(道心は小波を気に入っている)
百合葉は道心の返事を聞いて、自分の勘はやはり当たっていたと思った。
「これからは、君を通さずに直接電話を入れるから。部屋は何号室だね」
「5号室です。私、楽しみですわ」
百合葉は嬉しくてたまらない。
「何がだね」
道心が恍けた。
「跡取り様の顔が見れるなんて」
「君、気が早過ぎるよ」
道心が上機嫌で電話を切った。