教組の花嫁

 まゆとカナの二人は、顔を見合わせて信じられないと言う顔をした。


 「本当や。あんたらは長い間、無駄飯ばっかり食いよってからに。出て行く気やったら、出て行ったらええわ。せいせいするわ」

 泰子が手で追い払うような仕草をした。

 「ほな、カナ行こうか」

 まながカナの手を引っ張った。

 「出て行け。はよ出て行かんかい」

 泰子は、玄関にある靴を二人に向かって投げ付けた。


 二人は、泰子の家を走って出て行った。

 「教祖様が新しい子に手を付けるなんて・・・。信じられない」
 「私も絶対によう信じんわ」

 二人の話す声がかすかに聞こえて来た。

 
 「うちかて、よう信じんわ。道心のあほが。血迷いがってからに。どないしょ。そや、小波より、もっと若い子を見つけよ」


 次の手を打つ為に、泰子は早速行動に出た。






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