教組の花嫁
 
 「手が付いたらやで。手が付かんとあかんでえ」

 手が付くことを泰子が強調した。

 「うち、一生懸命に頑張りますわ」

 純は、前々から教祖の愛人になるのが夢だった。

 (こんないい話が降って沸いてくるなんて・・・)

 ツキが回ってきたと、純はニンマリせずにはおれなかった。

 「よっしゃ、話は決まりやな。すぐ、客室に入ってんか。ああ、そうや。客室は無料でええからな。どや、ええ話やろ」

 「はい、すぐに引越します」

 純は上機嫌で答えた。


 「引っ越して来たら連絡して。すぐに、教祖様のとこに連れて行くから」

 「わかりました」

 (よっしゃ。命懸けで頑張るからな)

 高沢純は、泰子にわからないようにして右手を握り、それを手前に力強く引いた。








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