教組の花嫁
何があったのだろうかと、沿道に多くの人が集まって来た。
「何でっか」
「跡継ぎが出来たみたいでっせ」
「宗教みたいやな」
「命の何とか言う宗教ですわ」
「えらい事やりまんな」
沿道の人たちは、提灯行列を見ながら口々に勝手な事を喋っている。
提灯行列が病院の正門前に着いた。
「教祖様、今から病院を提灯行列が一周します。どうぞ、窓を開けてご覧になって下さい」
百合葉が5階の病室にいる道心に、携帯で電話を掛けた。
「ありがとう。皆には感謝しているよ」
道心の涙ぐんだ声が返って来た。