教組の花嫁
 
 「ええ」


 ほのかがこっくりと頷いた。
 二人は初めてだった。


 ほのかは早く新幹線に乗りたい、という気持ちに急き立てられながら、北河に身を委ねた。

 ほのかには、北河にどうしても確かめたい事があった。それを、成し遂げるための、これは前金みたいなモノ、とほのかは思っていた。


 「私と星野さんとは、どちらが良かった」


 ほのかが、色っぽい目をして北河に問いただした。

 「そんなに違いはねえよ」

 北河が無愛想な顔をして答えた。





 「あの女は、あの時に声を上げた」





 ほのかが際どい質問をした。






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