教組の花嫁

 「どうなさるおつもりですか?私を追放なさいますか?」

 小波ガ冷たく言い放った。


 「追放はしない」


 道心には、小波を追放する気は全く無かった。


 「じゃ、どうなさいます?」
 「今のままだよ。君が産んだ子は、誰が父親であろうと私の子だ。永心は私の子だし、私の跡継ぎにするつもりだよ」


 道心が表情を変えずに言った。


 (道心は、無理して永心を自分の子供にしようとしている。人は自分の心を、真に制御出来るのだろうか?)


 「あなたは私を、心の底から許せるのですか?」


 小波は道心の本心が知りたかった。





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