教組の花嫁
 
 「まあ、いいわ。それより私に何か用事でもあるの」
 「ああ、聞きたい事があるんだ」


 北河がちらっとほのかの顔を見た。


 「何よ」
 「まさか、あんたは、俺と星野さんの仲をばらすために、ここに来たんじゃないだろうな」


 北河は、ほのかがここに来た目的を問いただした。


 「そのまさかだったら、どうするつもり」
 
 ほのかが冷淡な表情になった。


 「やっぱり、そうだったのか。なぜだ」
 「あの女が許せなかったのよ。でも、もう終わったわよ。私の負けよ。完敗だわ」

 ほのかが呟いた。


 「教祖にばらしたのか」


 北河がきつい顔付きになった。





 
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